レーザー加工用発振器選定時チェックしたい5つのポイント

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波長

レーザーの波長によって材料への吸収特性(反射特性)が変わってきます。最適な波長を選択するには発振器メーカーの営業マンに聞くのが手っ取り早いです。

ピークパワー

レーザーの平均出力はWで表されますが、パルスレーザーの場合、レーザーの出力はON/OFFをkHzオーダーで繰り返しているのでピーク部分は高い部分ができます。この高い部分ができるだけ高く、時間的には短い方が加工部周辺への熱影響が少なく抑えられます。短パルスレーザーの方がピークパワーが高くなる場合が多いです。

集光性(ビームの品質)

質の悪いレーザー光は小さく集光することができません。 クオリティの高いレーザー光の場合、集光径が半分になれば、パワー密度は4倍になります。 ビーム品質を確認する方法は、レーザーのカタログに掲載されている「M2(エムスクエアと読む)」値(を見ます。この値が1.0に近いほどビーム品質がよく集光することができるので、良い加工ができる可能性が高まります。

パルス応答性

レーザー発振器は外部からの電気的なON/NOFF信号によって制御されます。具体的にはTTLレベルのパルス信号をレーザー発振器に加えることでレーザーがパルス出力されます。外部からの制御信号に対するレスポンスが悪いと、ガルバノスキャナや高速なXYステージとの同期性が悪くなり、スキャンが間に合わなくなるので立ち上がり及び立下りエッジ部がきれいに、シャープに加工できなくなります。

世の中には外部からの電気信号に同期して内部シャッターがONOFFできないレーザーが販売されていることがあります。こんなレーザーは外部にメカニカルなシャッターをつけるしかないので、はっきりいって加工用途では使い物になりません。

安定性

レーザーの出力が不安定な場合、産業用で使うのは無理です。24時間連続出力して出力パワーが2-3%以内におまるようなレーザー発振器であればとてもよいレーザーです。

アイドリング時間は2-3分で使えるようになるのがふつうです。アイドリングに5分以上必要なレーザー発振器は産業用に使うのは危険です。まだ発振器自体が研究・試作レベルの場合があるので量産に使うのはやめておきましょう。

最後に

このような5つのポイントをご自分の目で確かめる必要があるでしょう。レーザー発振器メーカーから出された資料はチャンピオンデータの場合があります。まずは発振器メーカーからデモ機をレンタルし十分なテスト・検証を行った上で、導入されることをお勧めします。